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英雄ポロネーズを弾こう!!

札幌市南区芸術の森・石山東地区で、スタインウェイピアノ教室を主宰する、西岡裕美子です。

今回の発表会で講師演奏としてショパンの「英雄ポロネーズ」を演奏しました。

1年計画で練習した経過を書いてみます。
生活スタイルや練習の参考にしていただける方がいらしたら幸いです。

目次

ご縁がなかったら一生演奏しなかったこの曲

この曲に対する印象は、皆さんどんなものですか?
「明るい」「力強い」「男性らしい」「中間部の左手が痛そう」
私の印象はこんな感じで、完全にレパートリーの外の曲でした。
この曲をやるきっかけになったのは、ある大切な人から弾いてほしいと頼まれたことでした。
しかし、頼まれた瞬間は、上のような印象だったことから、ないない!!と思ってしまいました(笑)
だって難しいでしょ、すぐになんて弾けないよ、無理無理!!!
こんな感じでした。

リクエストの力

しかし、やはり人間関係が人の気持ちを動かすのですね、取り組むことに決めました。
とにかく不安しかありませんでした。
40年近く生きているのに、一度もレパートリーにしたいと思ったことがないのです。
ずっと知っている曲だったのに、ですよ。
でもやると決めたからには頑張るしかありません。

今となっては、やってよかった曲の1つになりましたが、これほど強く心を動かされなかったら、完成まで頑張って続けることができなかったと思います。
感謝しかありません。

よく知られている難所「中間部の左手オクターブの連続」

聴いた印象でも、調べてみても、この曲の難所は中間部の左手にあると、はっきりしています。
譜読みを始めて、この左手のオクターブをどのように演奏したらいいのかが初めの課題となりました。
この部分を克服するためには、2つのことをクリアしました。

オクターブの手の動かし方

まずはこれですよね。
力任せに弾くとダメなことは、初めからはっきりしています。
私の場合幸運だったのは、同時に「エフォートレスマスタリー」の訓練を同時に行っていたことでした。

エフォートレス・マスタリー ~あなたの内なる音楽を解放する~



この本にある、「瞑想状態の中で1音1音をゆっくり弾く」をオクターブで行うということに応用しました。
よって、エフォートレスマスタリーを行うために、英雄ポロネーズの譜読みをいったん中止することとなります。
2週間くらいだったと思いますが、譜読みを中断して、「1音1音」を行いました。

ある程度感覚をつかんだところで、「エフォートレスマスタリー」を行いながらの譜読みに戻りました。
すると、少しずつ力ではなくスムーズに動く感覚が分かってきました。
テンポを上げていくと、またさらに違う感覚もわかってきました。
途中で半音ずれて動くので、手の動き方も変わってきます。
その疑問も弾きながら少しずつ解消されていきます。
不思議なことに、最終的には半音の差はなくなりました。
エフォートレスマスタリーを実践をしながらだからできたのではないかと思いました。

右手のメロディーとの関係

左手ができてきたころ、ようやく右手の存在に頭がいくようになりました。
左手が4つの音をひとまとまりにして1拍ずつの単位で動いていくのに対して、右手の動きは長い音符が多くて単位としては2小節でひとまとまりのような印象です。
すると、左右の手でリズム感の差があり、別々に動かすこととなります。
右手の方をより滑らかに演奏することになります。
このような時は、二つの同時に起こる単位を両方意識しながら音楽を進めていくことが必要です。
このことは、気づいたときに私は解決したのですが、それは、日頃バッハの平均律を弾いていたことにあるのではないかと思います。
バッハは、各声部のラインが違うタイミングで始まり、違うタイミングで終わります。
左右でタイミングが違うばかりか、一つの手の中で二つの違うタイミングのメロディーを弾くことになります。
それをうまく弾くコツは、それぞれのメロディのタイミングを同時に把握することなのですが、それが難しいので、バッハが難しいとされる理由なんだと思います。
英雄ポロネーズのここの部分は、バッハの平均律ほどの難しさはありませんから、左手のオクターブを克服してしまえば、何とか把握できると思います。
バッハほど難しくない、と言っても、まあわかって表現するところまで行くのはコツもありますので、レッスンなどで解消することとなると思いますが・・・。

いつまでも覚えられない「1ページ目」

ゆっくり継続して弾いていれば、覚えられていくのがこの曲ですが、1ページ目はなかなか覚えられませんでした。
そこで、あえてポイントになる音を取り出してその音の移動を覚えました。
私の場合は、ハーモニーの半音階の塊がいくつかあるのですが、その初めの音の左手の実際の音と、その初めのハーモニーの一番下の音と一番上の音の幅の感覚を覚えました。
前者は頭で、後者は感覚で覚えました。
すると、いつでも悩むことなく弾くことができるようになりました。
ちなみにハーモニーの幅の感覚は、すべて同じでした。

反抗期!?

練習を継続をしていく中で、なかなか進展が感じられない時期というのが必ずやってきます。
その時期にあきらめないで継続できるかもとても大切なことです。
今回はリクエストの力を利用して、根気よく継続して、必ず弾き切るぞという気持ちで乗り越えることができましたが、それでも気持ちはコントロールできませんでした。
素直に感じたことを書いてみます。

なかなか進まない譜読み・・・

この時期は、速く弾くとうまく弾けなくて落ち込んでしまったり、勘違いしてしまったりするのでずっとゆっくり弾いていました。
仕事をしていて、家事もして、子育てもしていると、1日に弾ける時間はわずかです。
1回通せるか、ひどい時には1週間に2~3回しかひけないときもあります。
今の状況が続く限りこの状況は変わりません。
そんな中で思い通りに練習できずに暗い気持ちになったり、そんな自分にうんざりしたりしました。
酷い時には体調が悪くなったりしますが、今回そこまでいかず、まだましでしたが・・・。

中だるみかも・・・。

正直言って、少しこの曲が嫌いになりました(笑)
明るすぎるでしょ、この曲。
人間はいつも明るいなんてありえないのよ、理想よ、り・そ・う!
なんて表面的な曲なのよ、人間味が少ないじゃないね~。

などと、勝手なことを考えていました。
うん、やっぱり少し落ち込んでいたのですね(笑)
これは後に、本番直前で解決できることとなります。

少し慣れてきたみたい!/8か月後

もう頑張れないかもと思ってきた8か月後あたりで、ダメもとでテンポを上げてみました。
すると何となくイメージに近づいて弾けるようになってきたことを感じました。

いい感じ!!

こうすることで、曲の勢いを感じられて、曲に対する印象を感じることも大切なことです。
もっと定期的にやってもいいのかもしれませんが、それをやると、譜読みにより時間がかかってしまうので、我慢してゆっくり弾き続けていました。

このテンポを上げたことで、中間の一部にある、低音の強いメロディーのところの勢いのつけ方のイメージをつかむことができました。
画像の部分です。
どう弾きたいかが分かってきました。

9か月後のミニコンサートで・・・

このあたりで暗譜ができてきました。
一気に暗譜を完成させるために、人前で暗譜ができか試すことにしました。

結果は、初めの1段で止まって弾き直しはじめ、さらに2箇所ほど間違えて弾き直ししました。
これは望んだ結果で、どこが覚えていないか、不完全なところをはっきりさせるような目的でやったことなので、まあ、成功です。

さらに、エフォートレスマスタリーを実践するテストも行いましたので、大変いい機会となりました。
エフォートレスマスタリーの方は、うまくできていないような感じがありました。
でも前には進んでいるのは感じたので、あきらめないで頑張れました。

一番の収穫は、左手のオクターブのところが完全にマスターできていた点です。
自分なりにですが。
エフォートレスマスタリーが適用できた点だと思います。

課題も見つけました。
中間部のオクターブが終わった後、すてきなメロディーのところがあります。
画像のところからです。
そこの弾き方が決まっていない、しっくりこない、という印象が湧き上がってきました。
今まで気づかなかったことにちょっと悲しさを覚えましたが、これが現実。
受け入れましょう。
後にテンポ設定が間違っていたことに気がつきます。
この時点では、テンポをどうしたらいいのか悩んでいました。

10か月後の発表会直前・そして本番!

本番直前に、夫に聴いてもらうこととしました。
夫はピアノ専門ではないため、印象や感覚で聴いてくれます。
出てきたコメントは、案外的を得ていることが多いんです。
専門外の人に聴いてもらうことは、意外と本質をついていて、答えに近いことがあります。

演奏直後、気になるコメントをもらいました。ある部分の着地直前で、不自然な間があるとのこと。
この場所自体をここに書くことはあまり意味がないのですが、要するにテンポが速すぎたということです。
そのせいで消化できずに、つじつまが合わずに音楽の流れが止まってしまったということです。
テンポ設定が、自分の感覚とずれていたということです。
ゆっくりしたときに、すてきなメロディーのところがテンポとぴったり来ました。
これかと思いました。
このテンポに合わせて全体を調整したらいいのか、ということに気がついてから、全てのことが解決しました。

明るいだけの印象だったこの曲は、優しさを表現する部分があることでメリハリを作っていたこと、そのことでかえって強さを強調できるのだという点。

本番でのことは、他の記事で書いていますので、以下のリンクからご覧ください。
エフォートレスマスタリーが大きく関係しています。

ここからがスタート!!

ある程度完成したところまでできましたが、練習し続けたことで、この曲に親しみを感じることができて、自分のレパートリーとすることに決めることができました。

レパートリーとするためには、これから熟成しなければいけません。
いくつかの本番に出して、身体になじませていくこととなります。

ここからがスタートなのです。
こんなレパートリーが増えていくとステキなことですよね。
これを目指してみんなピアノを続けるのではないのでしょうか?



ピアノ演奏だけでなく、音楽理論指導や保育士試験対策も行います。詳細を知りたい方は、石山東音楽教室の西岡裕美子まで。