アップライトピアノのペダルワークで音色が変わる!初心者でもできるペダルテクニック解説
札幌市南区芸術の森・石山東地区で、スタインウェイピアノ教室を主宰する、西岡裕美子です。
ピアノを演奏する際、ペダルの使い方は音楽表現において重要な要素です。
特にアップライトピアノでは、適切なペダルワークによって、より豊かな音色や表現力を引き出すことができます。
今回は、アップライトピアノのペダルテクニックについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
目次
- ○ アップライトピアノのペダルの基本知識
- ○ ダンパーペダルの正しい使い方
- ・1. 適切な踏み込み方
- ・2. 音の重なりのコントロール
- ○ 効果的なペダル練習方法
- ・まずは単音で練習
- ・簡単な和音での練習
- ・実際の曲での応用
- ○ 注意すべきポイント
- ○ まとめ
アップライトピアノのペダルの基本知識
アップライトピアノには通常、1〜3個のペダルが付いています。最も重要なのは右側のダンパーペダルです。このペダルは、弦を止めているダンパーを持ち上げることで、音の余韻を伸ばす効果があります。
初心者の方は「ペダルを踏めば音が伸びる」という認識だけで使用してしまいがちですが、実はペダルの使い方次第で、音色や表現の幅が大きく変わってくるのです。
ダンパーペダルの正しい使い方
1. 適切な踏み込み方
アップライトピアノのペダルは、グランドピアノと構造が異なるため、使い方に独自の特徴があります。アップライトはグランドほど音の深みを表現するのが難しく、ペダルの踏み始めの変化ポイントが遅く感じる場合があります。また、バネを使った構造のため、軽い力でペダルを操作できますが、繊細な感覚を逃しやすい点に注意が必要です。ペダルのコントロールを磨くことで、響きの幅を広げることが可能です。どんなピアノでも耳を使った調整が重要であり、それぞれの特性を理解することが大切です。
2. 音の重なりのコントロール
ペダルワークで最も重要なのは、和音やフレーズを美しく繋ぐ技術です。
・ペダルを踏んだままにせず、必要なタイミングで適切に戻す
・音の濁りを避けるため、和音の変わり目では素早くペダルを踏み替える
・耳で音の変化を確認しながら、ペダルの操作を行う
効果的なペダル練習方法
初めてペダルを使う方は、以下のステップで練習することをお勧めします
まずは単音で練習
・1つの音を弾き、ペダルを踏んで音の伸びを感じる
・ペダルを戻したときに音が止まる感覚を掴む
簡単な和音での練習
・2つ以上の音を同時に弾き、ペダルでの音の重なりを確認
・和音の切り替わり時のペダル操作を練習
実際の曲での応用
・ゆっくりとしたテンポの曲から始める
・徐々にテンポを上げていく
注意すべきポイント
アップライトピアノでペダルを使用する際は、以下の点に気をつけましょう
・部屋の響きに合わせてペダルの使用量を調整する
・曲の雰囲気やジャンルに応じて使い方を変える
・練習時は必ずペダルなしでも弾けるようにしておく
まとめ
アップライトピアノのペダルワークは、決して難しいテクニックではありません。
大切なのは、耳をしっかりと使って音の変化を感じ取ることです。
適切なペダルの使用により、アップライトピアノでも豊かな表現力を持った演奏が可能になります。
日々の練習で少しずつペダルワークを意識していくことで、必ず上達は見えてきます。
ぜひ、これらのポイントを意識しながら、素敵なピアノ演奏を目指してください。
PROFILE

- 石山東音楽教室 代表講師
-
北海道教育大学札幌校芸術文化課程音楽コース 卒業後、
札幌市南区のピアノ教室「石山東音楽教室」を開校。
現在、ピアノ講師としてお子様の指導を行うのみに限らず、
「JLCA主宰伝え方インストラクター」として活動中。
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