もしかしてリズム音痴!?リズム・テンポの対処法はあります!~ポイントは人の意見を受け入れること~
札幌市南区芸術の森・石山東地区で、スタインウェイピアノ教室を主宰する、西岡裕美子です。
今回は、リズムやテンポで困っている方、必見の内容です。
「リズム音痴」という言葉がありますが、本当にリズム音痴は存在するのでしょうか?
リズムが取れない!それは知らないだけだったりして!?
テンポが一定じゃない?それは対処法を知らないだけ!
この記事を読んで少しでも参考になれば幸いです。
目次
- ○ リズムやテンポが取れない原因は3つ!時期も対処法も異なります。
- ○ 初期:単にリズムを知らない、覚えていない、リズムに注意が払えない
- ○ 中期:組み合わせで混乱!でも自分では正確に弾いているつもり
- ○ 後期:一定のテンポが取れない!普段のリズムの感じ方を超えたレベルアップの秘訣
- ○ まとめ
リズムやテンポが取れない原因は3つ!時期も対処法も異なります。
自分の経験と指導経験の中から、3つの時期と現象に分けてみました。
それぞれに対処法も違い、注意点もあります。
以下4点を中心にご覧ください。
≪時期≫ピアノを始めてどのくらいに起きるのか。
≪現象≫どういう現象が起きるのか。
≪対処法≫予想できる原因をもとに、対処法をいくつか。
≪注意点≫対処するときにやってはいけないことや、気をつけること。
初期:単にリズムを知らない、覚えていない、リズムに注意が払えない
≪時期≫初めて約1年以内
本当に初期の状態のリズムへの感覚です。
まだリズムの表記そのものに不慣れなため、すぐに忘れます。
複数個覚えたところで、反復が必要となります。
≪現象①≫すべて同じ音価で演奏する
音価の変化が見えていないパターンです。
そもそも音を読むこと自体にも不慣れなため、音を読むことに精一杯になっていて、音価まで気を配れていません。
しかし、音を読んできたことは褒めるべき点です。
生徒としては一生懸命やったという自負があるはずです。
≪現象②≫間違った音価で演奏する
先生からすると、どうしてこう間違えるのか、わからないこともあります。
生徒としては、知っているリズムが出てきて、それに反応したまでです。
間違えたにしても、リズムが変化している、そしてそのリズムに対応しているという点で、褒めるべきです。
≪対処法≫リズムカードやリズム課題が有効
まず、リズムに慣れるということが必要です。
音を読むことと一緒になっているからリズムに気を配れないのであれば、リズムだけにしてみましょう。
リズムトレーニング用の楽譜もありますが、まずは楽しくカードなどで、フラッシュ式に次々とリズムを叩いてみます。
十分楽しんでから、リズム課題に移行するのがいいと思います。
そのリズムに特徴のある形を大きな音符で目にさらして、小さくなってもすぐわかるくらいまでたくさん繰り返す必要があります。
≪注意点≫「楽しく」を忘れない
間違うことがあります。
しかし、間違いを修正することばかり気にすると、慎重な子供は、元気に手拍子できなくなります。
それだけは避けたいことです。
とにかく楽しく手拍子すること。
かわいい大きな見やすいカードでリズムに乗ってどんどん手拍子していく。
次々変わるものは、子供はとても大好きです。
下記のカードは大きいので、先生はめくるのが大変ですが、生徒にとっては見やすく、かわいいキャラクターと一緒に手拍子できます。
とても印象に残りやすいと思いますのでオススメです。
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中期:組み合わせで混乱!でも自分では正確に弾いているつもり
≪時期≫初めて約5年以内
音や音価がわかって、簡単なものなら両手で弾けるようになってきた頃です。
≪現象①≫拍子が乱れる
4分の4拍子の曲なのに突然5拍子になる。
8分の6拍子の曲なのに4分の4拍子で演奏する。
≪現象②≫小節と小節に空白の拍ができる
4分の3拍子になったときに、なぜか4拍目が登場する。
≪現象③≫突然止まって再開する
場所に関係なく、突然止まります。
本人は何の違和感もなく、間違ったという意識もありません。
≪対処法≫リズム打ちをさせる、録音して聞いてみる
リズムだけ取り出して説明すれば、大抵はすぐにわかります。
何も言わずに、「ここリズム打ちしてくれる?」「じゃあそのリズムでここ弾いてみてくれる?」で解決することも多々あります。
違うリズムで演奏していたことにすぐに気づくこともしばしば。
それでも気づかない場合は、先生の演奏を聴かせる、一緒に演奏する、参考音源を聴いて一緒に練習する、など繰り返しが必要です。
≪注意点①≫本人が納得しないと直らないので、わかるように説明する
わかったといってもわかっていない場合もありますが、その場合でも同じようにわかったという感覚が芽生えるまで繰り返します。
子供の成長は人それぞれで、苦手なリズムパターンというのも存在し、それも人それぞれです。
本人が納得するまで説明し続けることが大切です。
≪注意点②≫できるはずだという前提で指摘する
「どうしてできないんだ?」と思うことばかりですが、この子はこのリズムができるのだという前提に必ず立つ必要があります。
先生の想いは、敏感に伝わります。
できないのかと思うと、そのような言葉になっていきます。
「このリズムができないなんて、○○ちゃん(くん)らしくないねぇ」といった一言は効き目があります。
先生に信じてもらえないと、子供は八方ふさがりです。
自己肯定感が下がれば下がるほど、できません。
できることが目標ならば、できる前提で話を進めていくべきです。
後期:一定のテンポが取れない!普段のリズムの感じ方を超えたレベルアップの秘訣
≪時期≫5年以降※人により差あり、曲の難易度によっては10年以上でも起こり得る
中学生、大学生でも起こりうる、かなりレベルの高いリズムやテンポの感覚です。
≪現象①≫特に古典派作曲家(ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェンなど)で起きる
よくあるのが、古典派の作品の再現部。
一定のテンポで演奏することが難しいところです。
気持ちが盛り上がって、テンポが速くなっていることに気が付きません。
≪現象②≫ロマン派や近現代の作品のテンポ・プリモ(元のテンポに戻る)
テンポの切り替えが楽譜に指定されているとき、特にコロコロテンポが変わるとき、元のテンポに戻れなくなったりします。
≪現象③≫緊張する本番のスタートのテンポ設定。
いつもより心拍が上がっていて、テンポの基準がいつもと違う場合に起こります。
速くなった時は、しばらく弾いたときに我に返りテンポが違うと気づくときと、最後まで気づかないとき、なんとなく気づいてはいるがあまりわからず最後まで演奏し切るときがあります。我に返りテンポが違うと気づいたときが一番しんどく、最悪の場合そこで演奏が止まります。
≪対処法≫音楽が好きな他人に聞いてもらう、録音しながらレッスンを受ける
先生に聞いてもらうのはもちろんのこと、録音することや、音楽が好きな友達や家族、知り合いに聞いてもらうことも効き目があります。
組み合わせで最大限緊張する状況を作って、その中でどうすればテンポが一定になるか、自分で探ります。
必ず自分で探らなくてはいけません。ただ聞いてもらうのではなく、何をやって上手くいくのかを試すことが大切です。
一番大切なのは呼吸と言われますが、考え方、思考のコントロールの仕方、様々な方法があります。
私が参考になった書籍を以下に紹介します。
エフォートレス・マスタリー ~あなたの内なる音楽を解放する~ 新品価格 |
≪注意点≫ピアノ以外から吸収することがある(聴く曲の種類を増やす、コンサートやライブに出かける、打楽器を演奏する、アンサンブルをする)
普段からいろいろな曲を聴き、様々なジャンルに興味を持つことが大切と思われます。
また、コンサートやライブに出かけて実際に音を肌で感じることで得られる感覚もあります。
あとは、打楽器を演奏してみるというのもいいです。
ピアノは打楽器という人もいるくらい、打楽器的要素を強く持つ楽器です。
ドラムやボンゴが身近でいいかと思います。
人に習ったほうがすぐにわかります。
アンサンブルをするのも効果的です。
自分以外の音を聞きながら演奏することで、細かいリズムをより聞くことができるようになり、自分の演奏時にも役に立ちます。
高みを目指そうとすると、やることはいくらでもありますが、興味を持ったことを体験することすべてが自分の演奏の糧になっていきます。
まとめ
リズム音痴という言葉がありますが、そんなことは決してありません。
一言で片づける前にやることはたくさんありますし、とにかくやりたいという気持ちをもっていること自体が素晴らしいです。
長く楽しむためにも、あきらめず継続していってください。
間違いを指摘するのもされるのも、エネルギーがいることではありますが、そうやってやり取りする中で、抽象的な思考ができるようになるのです。
楽譜を読むこと自体が抽象的な思考を高めることにつながっているのですが、人の意見を聞いて思考することでより抽象的な思考を高めていくと、さらにどんどん自信が出てきます。
それを継続することで、必ず何か見えてきます。
そして、そのこと自体が楽しいのです。
ピアノ指導に合わせて、音楽理論指導や保育士試験対策も行います。詳細を知りたい方は、石山東音楽教室の西岡裕美子まで。
PROFILE
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北海道教育大学札幌校芸術文化課程音楽コース 卒業後、
札幌市南区のピアノ教室「石山東音楽教室」を開校。
現在、ピアノ講師としてお子様の指導を行うのみに限らず、
「JLCA主宰伝え方インストラクター」として活動中。
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