あなたもわかる、本番でピアノを緊張しないで弾くコツ。緊張を和らげる「おまじない」を自分で発見すること。
札幌市南区芸術の森・石山東地区で、スタインウェイピアノ教室を主宰する、西岡裕美子です。
本番でピアノを弾くとき、緊張してしまってうまく弾けない!という方は、
大勢いらっしゃると思います。私もその一人です。
今回ようやくうまく気持ちをコントロールするコツを見つけて実践できたので、書いてみます。
経緯から結果まで書いてみますので、どれか一つでも参考に、またはヒントになれば幸いです。
目次
- ○ 「上手く弾くこと」と「緊張しないで弾くこと」は別
- ○ 失敗は成功のもと
- ・「本番に強くなる」の実践での失敗
- ・前向き思考のワナ
- ○ 緊張は成功のもと
- ○ ついに良本と出会った!
- ・まずやってみたこと
- ・さらに時間をかけたこと
- ・アレンジした!
- ○ 本以外に役に立ったこと
- ・「誰に向かって演奏しているのか、お客様の対象が広くて難しいですよね」
- ・緊張したときの対処法を探す
- ・加湿器の水抜き栓
- ○ まとめ
「上手く弾くこと」と「緊張しないで弾くこと」は別
私は、長年うまく弾くことを追求してきました。
でもうまく弾くことはあまりできませんでした。
なぜでしょうか?
それは、「うまく」の意味を間違っていたのです。
CDなどで聴く演奏と自分の演奏は、同じになるはずがないのです。
今回の緊張をしないで弾くコツをつかむためにたどった経緯の中で、うまく弾くとはどういうことかもわかったのですが、どちらも書くと話がまとまらないので、今回は省きます。
今は、普段から自分の納得する演奏を目指して引き続けることが大切だということだけ書いておきます。
失敗は成功のもと
失敗したことがたくさんあります。
あまりにもたくさん失敗したので、成功しないのではないのだろうか、と思ったこともありますが、あきらめないことが大切なのですね、ちゃんと見つかりました。
「本番に強くなる」の実践での失敗
先に行っておきますが、とってもいい本です。
実践してみて今に生きていることもたくさんあります。
練習したことが本番でうまくいくようにするための練習の本です。
しかし、全て実践して分かったことが、自分の根本的な問題点はここにはない、ということです。
自分にはできるという感覚は大切だし、役に立ちます。
しかし、私にとってはこれが全てではないんです。
たくさん練習したことが本番前の精神状態に影響します。
しかし、本番直前というのは、同様の経験が一番思い出されるのです。
例えば、今回思い出したのは、2か月前に同じ曲でミニコンサートをした時のことです。
たくさん練習したことはあまり思い出しません。
しかも、本番前の同様の経験の中には、うまくいかなかった思い出したくないことも思い出します。
例えば、今いる同じ会場でオーディションに落ちたことです。
本番を経験すればするほど、緊張したときに頭をよぎるものが多くなってしまうように感じます。
前向き思考のワナ
「自分は今緊張しているのではなくて、ワクワクしているのだ」
「うまくいかないかもしれない・・・いや、聴いてくれるお客様に感謝して、家族に感謝して、サポートしてくれた先生に感謝して、世界中に感謝しよう・・・」
このように、前向きに考えようとして、一瞬落ち着いたような気がするのですが、実際ステージに出ると、逆効果だったことに気がつく・・・。
じゃあどう考えればいいのだ!
前向きに考えるということは、つまり自分を否定しているということで、自分にとって都合の悪い真実を裏付けることになってしまうようです。
それで、より悪影響を及ぼし、失敗してしまうようです。
緊張は成功のもと
上手くコントロールできて、初めて分かったことがあります。
それは、「緊張すればするほど、気持ちのコントロールはしやすい」ということです。
頭がいっぱいになってしまった状態から、コツが分かれば一瞬で空っぽの状態に持っていくことができるのです。
これは、むしろ普段の練習で行うことの方が難しいと感じます。
できてしまえば一瞬でした。
そのためにも、普段のトレーニングが大切で、本番前の一瞬につながってくるのです。
ついに良本と出会った!
完全にご縁でした。
以下の二冊に順に出会うこととなります。
この本にあったことが大きな転機となりました。
私にとって、この2冊で精神面をサポートしてもらうことで、自分なりにアレンジして活用できるようになるまで昇華することができました。
1冊目が「エフォートレス・マスタリー ~あなたの内なる音楽を解放する~」(ヤマハミュージックメディア)
そして2冊目は「”それ”は在る ある御方と探求者の対話 」(覚醒ブックス)
私の中ですでに知識が結びついてしまって、分けられないものになってしまったので、いくつかのポイントに分けて書いてみます。
まずやってみたこと
「エフォートレスマスタリー」に書いてある通り実践しました。
「私はできる」「私は完璧だ」と心の中で何度も唱える。
「瞑想」の項目を朗読して録音して運転中聴いたり、練習前朗読したりする。
「それは在る」に書いてあることを取り入れてみました。
「瞑想」に合わせて、「世界は私」「この静寂は私」と唱えてイメージした。
とても時間をかけました。
さらに時間をかけたこと
演奏前のイメージを膨らませるために書いてある項目を読みながら相当時間をかけてピアノの前にずっと座っていました。
1本1本の指をゆっくり動かすトレーニングがあるのですが、ただゆっくり動かすのではなく、瞑想した状態で行うので、集中力が必要です。
会場も客もすべての世界が自分であるという感覚を持つことを気をつけました。
自分の中にいる神様がピアノを弾くイメージを何度も考えて曲中上手くいかなかったら止まってもう一度始めたりしました。
上手くいかないとき、うまく弾けないのがすぐにわかるので、私はわかりやすかったです。
ただ、本当に粘り強く行わなければいけないので、頑張りが必要ですが、ずっと前からの目標だったので、何とか頑張れました。
練習自体に時間があまり割けないので、心身になじむまで、半年くらいかけました。
アレンジした!
色々見えてきて慣れてきたころ、自分なりに分かりやすいようにアレンジを始めました。
➀演奏前のイメージを抽象的なものから具体的なものに変えた。
具体的には、「不安」と書かれた両手で持てるくらいのボールと「期待」と書かれた両手で持てるくらいのボール、また「それ以外の余計な感情」と書かれた両手で持てるくらいのボールを身体から出して、目の前でフワフワして1メートルくらい前にいるようなイメージを浮かべました。
②意識と指との間に、科学的に説明できない、テレパシーのようなものが存在して、距離などが関係ないということを信じた。
武田邦彦先生が最近おっしゃっている「絡合(らくごう)」というようなものを参考にしました。
③不安定な状態を保ったままバッハを演奏する。
トレーニングで一番難しい曲は、バッハでした。
冷静に演奏し続ける必要のある曲で維持するのは、集中力が必要で、できた時はとても充実感がありました。
④自分の意識を身体から遠くに維持し続けるイメージを保った。
放っておくと、どんどん近づいて行ってしまいます。
とにかく遠くに自分がいて、そこから弾いているイメージを何度も描きなおしました。
本以外に役に立ったこと
実は書籍だけでは到達できない境地でした。
仲間がとても大事です。
船木祝先生も、「学びには、読書と対話です。」といつもおっしゃいます。
「誰に向かって演奏しているのか、お客様の対象が広くて難しいですよね」
コンサートでクラシックを演奏するとき、お客様で来てくださる方は、様々な方がいらっしゃいます。
様々な年齢・経験を持ち、私との関係性もまたそれぞれ違い、ひとくくりにできない、ということを指摘されたとき、ハッとしました。
そのこと自体の内容ではなく、お客様に届けるということ自体で、私の中で矛盾した意見を採用していることに気がついたのです。
お客様に聴いてほしいという気持ちと、批判される恐れがある気持ちのせめぎあいの中、聴いている人の心をコントロールするというおかしな結論を導き出していたのです。
無意識の中でです。
無意識はできないことを知っていました。
しかし、意識できて初めて考えを変えることができるのですね。
私とお客様の気持ちは、どう考えても無関係です。
当たり前です。
緊張したときの対処法を探す
書籍だけでなく、YouTubeなどでも見つけることができます。
意味が分からないままずっと引っかかっている言葉がありました。
「不安な気持ちを肯定してあげること」
今はわかります。
先ほどで「不安」のボールを目の前にフワフワ漂わせておく、というアレンジにつながっています。
それ以外にも参考になることは沢山あります。
なんとなく気になったことをストックしておくと、いずれ分かるかもしれません。
加湿器の水抜き栓
突然スミマセン・・・。
普段の何気ない行動からヒントを得た例です。
実はこれが最後の決め手となりました。
「ヒラメキ」は目の前に転がっていて、突然つながるものなのですね。
ボタンを押して水抜きするタイプの加湿器ってありますよね。
それです。
演奏前、ボールを思い浮かべることを練習していましたが、
本番前に頭がいっぱいになったとき、ボールのような塊にならなかったのです。
あまりにも頭がいっぱいになってしまったのですね。
まるで噴火前の火山のようです。
そしたら、水抜きのイメージがやってきて、とっさに、額の中心を指で押しました。
同時に息を吐いたら、サーっと何かが出て行って、すっきりしたのです。
何度か繰り返すと、平常心に戻りました。
驚きました。
と同時に「これか!」とはっきりわかりました。
その後ステージに出て、ピアノの前でさりげなく(笑)瞬時に額のボタンを押して落ち着いて演奏できました。
発表会後、音楽仲間に、演奏直前に何をしていたのですか?と尋ねられました。
何かをしていたことを悟られました、さすが中村さん(笑)←石山東大人楽団のギタリストです。
みんな額のボタンを押せばいいわけではないので、真似をしてはいけませんが、
試行錯誤の中で、普段の何気ない行動がヒントになって緊張がコントロールできるのかもしれません。
いずれにしても自分なりに試行錯誤して色々試すことで何か見えてくるのは間違いない事なので、
良かったら試してみてください。
まとめ
今回私がわかるまでの経緯と具体的な例を書きました。
私は本当に不器用で、ようやくここまでたどり着きましたが、もう知っている人もたくさんいるだろうし、それぞれ持論があると思います。
だから、これが正しいというつもりはありません。
でも何か参考になることがあればぜひ活用してみてください。
ピアノ演奏指導以外にも、音楽理論指導や保育士試験対策も行います。詳細を知りたい方は、石山東音楽教室の西岡裕美子まで。
PROFILE
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北海道教育大学札幌校芸術文化課程音楽コース 卒業後、
札幌市南区のピアノ教室「石山東音楽教室」を開校。
現在、ピアノ講師としてお子様の指導を行うのみに限らず、
「JLCA主宰伝え方インストラクター」として活動中。
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